イリアス〈上〉 (岩波文庫)
「イリアス〈上〉 (岩波文庫)」のレビュー・感想

【まさにゼウスの息吹がかけられたと思われるほど神がかり的なレベル】
名前だけは誰でも知っているホメロスの「イリアス」、「オデュッセイア」ですが、実際どのような話なのか、恥ずかしながら30歳になる現在まで知りませんでした。たまたま書架に岩波児童文学の「イリアス」があったので目を通し、初めてこの世界史上最高傑作を読む機会を得ました。岩波児童文学の「イリアス」は子供向けにかなり省略されているのですが、いいところは本物の「イリアス」の冒頭にいたるまでの経緯が書かれているところです。つまりなぜアガメムノン率いるギリシャ軍がはるばる海を越えてトロイアまで攻め込んできたか...
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【個人的に思ったことを・・・】
今回初めて「イリアス」を読みました。
訳文がとっても明晰でわかりやすくて、すらすら内容を追えました。
章の冒頭ごとに、内容の概要が載っているのもいいです。後で振り返りやすかったです。
ずっと昔に書かれたお話なのに、キャラクターが魅力的で、個性がはっきり分かれているのにびっくりでした。
傲慢なアガメムノン、直情型のアキレウス、ちょっとこずるいオデュッセウス、賢者のネイアス、ワンマンなヘクトル、そして言い訳がましいパリス。
話を読んでいて、ふと現代に引き寄せて考えてみまし...

【英雄たちの物語】
偉大なるホメロスの英雄叙事詩、トロイ戦争の物語です。映画「トロイ」がこの本を原作にしたのだとすれば、実に見事に脚色したと言うべきだろう。
ホメロスの描く英雄は戦士であると同時にとっても人間臭い男達でもある。なにせアガメムノンとアキレウスが戦利品の娘ブリセウスをめぐって派手に口喧嘩する場面ではじまります。そしてパリスとヘレネの国を滅ぼすわりにはあまり激しくない恋と、トロイを滅ぼすべくギリシア中から集められた戦士達の長いリストが続く。
戦いがはじまれば当時の習慣なんだろうけど略奪に重...

【文学の起源?】
文学全集の第1巻はホメロスであることが多いが、現在の文学という概念で捉えられない幅広さがある、と思う。トロイア戦争の最後の数十日に的を絞って画き切った戦記だが、シュリーマンが実際にあったのだと信じて発掘へ向かったのも無理は無い。本書を読めば、底辺に何がしかの事実があったとしか思えない。当時の船団・軍団の構成から、戦争の仕方、人間関係、生活、一切が活き活きと描かれている。牛一頭と奴隷二人が交換される場面など、何気なく描かれる部分こそ、今は忘れられている当時の「普通」の状況を窺い知ることが出来る。...
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