史記を語る (岩波文庫)
「史記を語る (岩波文庫)」のレビュー・感想

【史記における史実と説話】
史記は、言うまでもなく、中国古代史の根本史料ですが、これを額面どおり史実と認めてよいかというといささか問題があります。司馬遷は、史記の記述に当たり、史料の不足から、各地を巡回して口碑伝承の類を収集しましたが、宮崎先生によると、司馬遷は書いたものを見せられれば、騙されやすい史家でした。(この点では、ヘロドトスと似たり寄ったりです。)
司馬遷は、史記を本紀、世家、列伝等に分けて記述しました。これはそれぞれ帝王、諸侯、個人の記録ですが、項羽を本紀に、孔子を世家に、韓信を列伝に入れるなど...
看護師の求人も
常勤の医師 求人も
薬剤師募集も全部ここでOK、
ヨガ教室、
パワーストーン

【『史記』の面白さ】
『史記』への格好の入門と紹介では釘打ってありますが、私はむしろ、本書は『史記』をある程度読んだ事のある人や、東洋史についての基礎的な知識のある人にとってより楽しめる一冊だと思います。『史記』全体の概説・要約本はあまたありますが、本書ほどにその背景にある、司馬遷の歴史観・価値観などに踏み込んだ説明を施している本はほとんどないといってもよいでしょう。宮崎氏は該博な知識を武器に独創的な推論を立てていますが、その中でも特に興味深いのが古代中国の都市市民文化論です。春秋戦国時代というと封建制という印象...

【司馬遷が企図した記述構造に注目した『史記』入門書】
西にヘロドトスの『歴史』があれば、東に司馬遷の『史記』がある。歴史を重んずる中国人が『漢書』『後漢書』『三国志』から『明史』に到る数々の正史(各王朝によって編まれた正式の歴史書)の元祖がこの『史記』である。日本を代表する中国学の泰斗、宮崎市定博士は、この歴史書の成立と構造の全容の解明を試みた。しかし博士独特の読みやすく、人を引き付ける文体で、格好の『史記』入門になっている。司馬遷は「紀伝体」という新しい編纂方式を創始した。各王・皇帝ごとにまとめられた「本紀」、各諸侯や孔子のような諸侯に等しい...
Amazonで詳細を見る!