蒼穹の昴(2) (講談社文庫)
「蒼穹の昴(2) (講談社文庫)」のレビュー・感想

【清朝末期と日本の幕末には共通の壮大なドラマがある】
地主の次男、梁文秀(史了)とその地の貧民の子、李春雲(春児)。
科挙登第を経て国政を担うこととなる史了と、宦官という
方法で内廷のトップまで上り詰めた春児。
二人の男(!?)を通して、清代末期西太后が実権を握っていた
王朝内部の動乱とそれにかかわる人々の思惑を描いた
壮大な歴史小説。
読み進めていく中で感じたのは、日本の幕末との
共通性。もちろん、時間的共通性もあるんだけど、
欧米列強のプレッシャーを受けながら、従来の
権威をいかに保つかとい...

【さて第二巻は…】
清朝末期を題材に西太后、李鴻章など歴史上の人物と、
浅田次郎の創作である主人公・春児(チュンル)と文秀(ウェンシュウ)が
登場する歴史小説ですが、第二巻は舞台がいよいよ「紫禁城」へ移ります。
同郷の春児(チュンル)と文秀(ウェンシュウ)は歩む道は違えど、
舞台を同じくする者同士です。
小説自体は創作なのですが、歴史的事件や事実はそのままなので、
当時の時代背景などの勉強にもなります。
特に日清戦争が日本と清朝との戦争ではなく、
日本と李鴻...

【か弱い女性として描かれる西太后】
清朝末期時代を描いた歴史小説の第2巻。
この物語の主要人物である西太后が、まず権力の頂点で横暴にふるまう人物として登場しました。
公式の政治の世界で非情な最高権力者として振舞うことはもちろんですが、後宮でも、やれ饅頭に羽虫が入っていたといっては料理長の足を折って紫禁城から追放し、やれ芝居の演技が下手だといっては御前役者を棒叩きにします。そのためにこん棒を持った「散差」という役人が、いつも待機しているありさまです。
一方で西太后には偉大な清朝第六代皇帝の霊と対話する力があ...

【西太后と紫禁城】
西太后とはどんな人だったのだろうか。そして中国皇帝の権力とは以下ほどのものであったか。西太后については、とかく化け物のような喧伝がなされておりすこぶるイメージは悪い。しかしどうも中国王朝文化の習慣が理解出来ない当時の列強諸国がプロパガンダとして用いたイメージのようである。中華思想とは宇宙の真ん中という意味でその最大権力者が中国皇帝である。西太后は、権力を私物化するために政敵の命を奪っていった非道の人なのか、それとも清朝末期、蹂躙される中国を支えるつわものであったのか。西太后の「人」に迫ってゆ...
Amazonで詳細を見る!