花神 (中) (新潮文庫)
「花神 (中) (新潮文庫)」のレビュー・感想

【政治的駆け引き】
尊皇攘夷の旗を掲げながらも開化しなければ(西洋文明を取り入れなければ)日本は列強
に伍していくことが出来ないことを早い時期から見抜いていた長州藩は井上、伊藤らの5人
の秘密留学生をイギリスへ送る。
京都における政変により、長州藩は京から一時的に追い落とされる。村田蔵六はこの時期、
歴史の表舞台には登場していない。その個性を桂小五郎によって見出され、桂が藩の実権を
握ったと共に軍政家として登場する。桂〈後の木戸孝允)が歴史に名を残したのは人の強み
を見抜きそ...
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【お勧めの一冊】
蛤門ノ変や四カ国連合艦隊との敗戦で長州藩がめちゃくちゃなときに、桂小五郎(木戸孝允)に抜擢された大村益次郎(村田蔵六)がついに長州藩のために動き出した。幕府に勝つためには、元込銃を1万ちょうそろえれば勝てるといって、桂は土佐の坂本竜馬経由で銃を購入した。意外なところでも坂本竜馬とつながりがあるところが面白い。2巻目の最後は、幕府と戦い、司令官としの才能を最大限に発揮し、老体の幕軍をけちらしづづける姿は実に爽快。

【攘夷と階級社会の崩壊】
中巻は、蔵六が長州藩の司令官に任命され幕軍を撃退するところで終わっています。
中巻で印象に残っている言葉が二つあります。まず一つ目は、蔵六の「日本中に攘夷という大発熱をおこさせる以外に、日本の体質を変える方法はないのではあるまいか」という言葉と、本書後半のほうで頻繁に使われるようになった「階級社会の崩壊」と言う言葉です。
この蔵六の言葉どおり、攘夷によって日本の体質は変わりましたが、この言葉は現在の日本にこそ必要だと思いました。政治家の汚職や、アメリカや、北朝鮮...

【"時代"が必要とした男。】
村田蔵六こと大村益次郎は当初父の仕事である
医師を継ぐため当時の先端であった
蘭学を学びます。
ただ蘭学を学び諸藩を転々としているうちに江戸に行き着き、世間の彼への期待
は
医師ではなく兵学者としてのものに変わっていきます。
戦争で総司令につける程の人物はその国の歴史上何人もいるわけではない。
さらにそういった人物は武士などの職業についているわけではなく、百姓や商人で
あることも多く、実際選ばれることは少ない。村田蔵六はそういった意味では源義経と
...
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