朗読者 (新潮文庫)
スイスで出版された原書を、キャロル・ブラウン・ジェンウェイが格調高い英語に翻訳。セックス、愛、朗読、戦後ドイツの不名誉についての、短くも豊かな物語。15歳の少年ミヒャエル・バーグは、謎めいた年上の女性ハンナとの激しい恋の虜になる。だが彼女の身の上についてはほとんど知らないうちに、ある日ハンナはミヒャエルの前から姿を消してしまう。…二度と彼女に会うことはないと思っていた彼だったが、戦慄(せんりつ)の再会が実現する。ナチスの過去を裁く法廷の被告席に、ハンナがいたのだ。彼女が筆舌に尽くせぬ重罪を犯して...
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読む者に多くの問いを投げかける
濃やかに生きられる罪の意識
独特の静謐感
失敗した推理小説 
発売日:2003-05
ランキング:10131位

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「朗読者 (新潮文庫)」のレビュー・感想

【読む者に多くの問いを投げかける】
映画を観て、いくつかの疑問を持ち、それを解決しようと読んだ。
映画とほとんど同じ展開なので分かりやすく、話しの理解は深まった。
そしていくつかの疑問の答えは得られたが、その代わりに新たな疑問も出てきた。
それは疑問というよりは、自分自身への問いかけに近い。
なぜミヒャエルはこうしたのか、自分ならどうしたか、などなど。
とにかく考えさせられることの多いストーリーだ。

父は言った
「他人がよいと思うことを
自分自身がよいと思うことより
上位に置... 看護師の求人常勤の医師 求人薬剤師募集も全部ここでOK、ヨガ教室パワーストーン

【濃やかに生きられる罪の意識】
自己と他者の存在の解し難さについて、或いは幸福の正体の分かりづらさについて、少年のようなまなざしで考え続けるしなやかな文体。
そこに巧みな設定によって、失われた過去への(ハンナの)抑圧された視線が導入される。

そんな人生の視界の中に罪を見出す。人生の中の異物にはなりようもない濃やかな感情にすら見紛うように、罪の意識は生きられる。自己の存在そのものを考えるかのように。

ハンナは裁判長に向かって、「わたしは…わたしが言いたいのは…あなただったら何をしましたか?」と問う(129頁)。...

【独特の静謐感】
年上の女性、ハンナとの恋。逢引のたびに朗読をさせられる主人公。
ある日、突然、ハンナは姿を消した。
主人公が、高校を卒業、大学生となったとき、裁判所で二人は再開する。
ハンナが隠していた秘密とは?それを知った主人公は?
淡々とした語り口に、漂う静けさ。
読後はじわ〜っと感動が広がります。

【失敗した推理小説 】
まあこれは純文学ではないね。推理小説の一種。しかもその肝心のネタが「ありえない」。中世の農民じゃあるまいし、20世紀のドイツでああいう仕事をしていて、あれはありえない。そのありえないことが核心になっているのがありえないし、それを隠したいがために死刑になるかもしれない危険を冒すのもありえない。
 ないない尽くしである。でもこういうのが世界的に売れるんだから、どこの国でも「一杯のかけそば」に感動する大衆はいるってことさ。