わたしを離さないで
「わたしを離さないで」のレビュー・感想

【続けて2回読んだほど、素晴らしい。】
私は何の予備知識も無く本書を手に取ったので、初めのうちは英国の孤児院を舞台にした話かと思っていたが、
読み進めるうちに段々と普通でないことに気付き、やがて子供達の驚くべき運命と様々な謎が明らかにされていく。
どこまでネタばれして良いのか悩んでしまうので、本書の素晴らしさを伝えるのは非常に難しい。
本書のテーマについては、大野和基氏のホームページの中のイシグロ氏へのインタビューにおいてかなり詳しく述べられている。
そこでも、本書はネタばれもからんでしまうので書評を書くのが難...
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【よい作品だけど、最高傑作とは言いがたい】
本の帯に柴田元幸氏が現時点で最高傑作と書かれていたのを見て、期待して読んだが、自分はそうは感じなかった。正直言って、「日の名残り」を超えてないし、「わたしたちが孤児だったころ」の方がよい作品に思えます。
ヤングアダルトに読ませたい成人図書、アレックス賞も受賞したと帯に書かれているのですが、なんかずれているように思えます。
所詮ありえないクローンの若者達に感情移入して、自分達がいかに自由で恵まれているとは思い込めない。
作品に主役のキャシーがルースという、わがままで自分勝手な女性...

【クローン人間などと・・・。】
端的に言えば、クローン人間候補を介護するストーリーだが、本来なら中心として描いてほしいクローンに関するところをほとんど描いておらず、代わりに実にさまつ、かつどうでもいい日常をだらだらと牛のよだれのように描いている。例えば、はしゃいで周りのガキ共からイジメられている風景や、展覧会に出品する品についての顛末、いついつにセックスしましたという報告・・・。おいおい、早く事の核心に迫れよと強く思わされる内容となっていた。これはもはやSFでは無く、「介護日記」どちらかといえば、これから介護や福祉の方向へ進...

【現代のFrankenstein】
Kazuo Ishiguro はスタイルやテーマを一作ごとに変化させ、一か所に自分のスタイルを決めこんでしまうことがないが、じんわりと心に響くことは共通である。この作品はMary ShelleyのFrankensteinの流れを継ぐクローン人間の話である。心を持ったクローン人間たちが、自分たちの知らないところで進んでいる科学の流れに押し流されながら、抵抗もできずに運命に従って行く過程が描かれている。生産されてから、臓器提供で完結する一生のなかでの生活が、寄宿舎での生活、友情、自分の出所や将来への疑問、運命を知っていながらも残る生へ...
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