壬生義士伝 下 文春文庫 あ 39-3
「壬生義士伝 下 文春文庫 あ 39-3」のレビュー・感想

【武士って何だろう…(男としての生き方…?)】
先に同作家の【輪違屋糸里】を読んで、こちらも気になり、読みました。
吉村貫一郎という一人の新撰組隊士の物語です。
新撰組云々とか幕末云々よりも、武士って何だったんだろうという思いが一番に残りました。
自分の信じる義の為に、愛する大切な家族の為に懸命に生きた一人の男の話はやはり泣けます。
当時と現在(回想)という形で入り混じって進行していくので、最初のうちは(上巻)少し読み辛いかもしれませんが、徐々に話が繋がって面白くなっていきます。
また、回想の語り手が...
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【壬生義士伝 完結】
吉村貫一郎とその家族の生き様が、
あたかも本当に居たようなリアルさで
近くに感じた。
実際にもしかしたら居たのかもしれない。
自分の中に一本の芯が通っていて、
その部分を曲げずに信念を貫いている姿は、
とても純粋で、不器用で、切なくも潔く感じた。
自分はそこまでの芯を持てないように思う。
新撰組が義のために大きな力に利用されてしまった哀しさも、
また違った視点で読めた。
(2010.3.29読)

【小説と分かっていても、つい、力が入ってしまう。】
上巻の静かに、静かに進むストーリーから一転して、下巻に入ると、もう、ここは浅田節の独壇場という感じ。ストーリーとして上手く作られていると分かっていても、不思議と、その話の中で踊らされることに快感を感じる。
石川啄木の《不来方のお城の草に・・・》の歌が出てくる背景、宮沢賢治の《雨にも負けず》の一説が飛び出てくる風景が織り込まれている。
主人公の吉村貫一郎の子息である吉村嘉一郎が義に駆られて戦に出向くが、殺さないでくれ、という投書が連載中に数多く届いたと講演の中で浅田次郎氏は語っ...

【生き抜く苦しみ】
盛岡南部藩を脱藩して新撰組に入った庶民の視点から見た幕末を描いている。
テーマはたった一点、生き抜くこと、だと感じた。
飢饉や戦のために、当時の想像を絶するほどの死の身近さを感じる。
とりわけ、命懸けの真剣での勝負や切腹の介錯をする時の気構え、
当時の飢饉の酷さ等々、死に直面する時の人間の気持ちの描写が生々しい。
人間は弱肉強食の世界に生きる動物で、心がある分、苦しみが大きい。
現代、人間は長寿になり、その分、生への真剣さが失われたが、ほんの...
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