壬生義士伝 下 文春文庫 あ 39-3
「壬生義士伝 下 文春文庫 あ 39-3」のレビュー・感想

【生き抜く苦しみ】
盛岡南部藩を脱藩して新撰組に入った庶民の視点から見た幕末を描いている。
テーマはたった一点、生き抜くこと、だと感じた。
飢饉や戦のために、当時の想像を絶するほどの死の身近さを感じる。
とりわけ、命懸けの真剣での勝負や切腹の介錯をする時の気構え、
当時の飢饉の酷さ等々、死に直面する時の人間の気持ちの描写が生々しい。
人間は弱肉強食の世界に生きる動物で、心がある分、苦しみが大きい。
現代、人間は長寿になり、その分、生への真剣さが失われたが、ほんの...

【泣けて仕方ない作品】
以前、電車の中で下巻を開いたところ、涙が止まらなくなり大変な思いをしました。
今でも「嘉一郎の母への想い」の部分を数行読んだだけで、ツーッと涙が出てくるスゴイ本です。
私の一番の感動作です。しかも主人と仲良くなるきっかけにもなった本で、今では歴史小説が好きになりました。

【よい本と思いますが。。。。】
さすが浅田次郎さんの小説だけあって、とても読み応えはあるし、話の進め方がとても計算されているし、どんどん先を読みたくなるほどの小説であることは、このサイトの皆さんのレビューの通りです。
でも、感情移入はできませんでした。涙線も残念ながら熱くなりませんでした。
あまりにも家族に対する愛を誇張し過ぎているからかもしれません。
あまりにも理想的なお父さんであるからかもしれません。
このくらい家族のために自分を犠牲にできるくらいの父親が理想なのでしょう。
私...

【武士道、家族愛、国家主義批判】
武士道=家族愛という破天荒な価値観を何と新撰組に持ち込んで読者を納得させてしまう作者の筆力に驚愕してしまう。インタビューの形を通して、吉村貫一郎の人物像を浮かび上がらせる一方で、インタビューを受けるさまざまな人の人物像+時代背景まで浮かびあがらせてしまう。それがあまりにリアルなので、ノンフィクションかと思うくらいだが、実はフィクションなのである。最後の大野次郎右衛門の手紙には、国家主義批判が隠されているように思います。人は、自分の妻子のためになら死ねるのであって、主君や国のために死ねという風潮...
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