吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1
「吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1」のレビュー・感想

【表題作は面白いです】
本短編集の作品中には読んでいて、恐怖や戦慄を感じるような物はありませんでした。しかし、表題作の『吸血鬼カーミラ』は大変興趣に富んでおりました。カーミラが本短編集において、他者の追随を許さぬ異色な登場人物である事が物語に大変彩りを与えています。怪奇小説は読んでいて恐怖を感じないと面白さが半減してしまいます。本短編集に幽霊物が多く含まれますが、幽霊という題材を陳腐に感じる私には余り楽しめませんでした。吸血鬼も陳腐といえば陳腐ですが、カーミラという人物の個性はそうした陳腐さを補って余りある新鮮味を...
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【吸血鬼古典文学】
この本は、表題を含める7本の、色褪せる事のない見事な古典文学を堪能できます。
その中でも、今日様々な場面で登場する『吸血鬼の本家』とも言える、
吸血鬼カーミラは、ヴァンパイア好きは勿論、古典文学愛読者なら是非とも読んで頂きたい一作。
あの有名な、ドラキュラの話にも、多大な影響を与えたといいます。
ドラキュラは、少々不精(?)で怪奇的な伯爵の姿で描かれていますが
このカーミラは、どこか愁いの漂う、絶世の美少女。
昔の作品の為、少々読みづらい訳ですが、丁寧な語り口調に引き込ま...

【イギリス怪奇小説界の大物】
イギリス怪奇小説の黄金時代と呼ばれるヴィクトリアン時代に他を圧倒する存在感を見せていたレ・ファニュの作品集。表題作を含めて7編が収録されています。
現在では、ドラキュラと並びカーミラと言えば女性版の吸血鬼だと分かるくらいにメジャーな存在になっていますが、実はブラム・ストーカーの『ドラキュラ』よりも前に書かれた作品です。
手記などの形を取って一度フィルターにかけてから読者に語りかけてくる形式が多いですが、いずれも丁寧な描写を特徴としています。

【丁寧な訳、引き込まれる描写】
原作を読んだわけではないのですが、翻訳だけでも丁寧な描写が分かります。この本には7編入っていて、中でもやはり圧巻は表題作「吸血鬼カーミラ」。
可憐で美しいカーミラ、それに魅かれる語り手の女性、解説にもあるとおり、一種のレズビアンの雰囲気を匂わせますが、それが鼻につくこともなく、作品の雰囲気として、色を添えています。
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