黒い夏 (扶桑社ミステリー)
「黒い夏 (扶桑社ミステリー)」のレビュー・感想

【救いなし】
ケッチャムほど好き嫌いの分かれる作家も少ないだろう。好きな作家なのに、読んでいて胸が悪くなるような、でも最後まで目を離せないような、それがケッチャム。最新訳のこの作品にもやっぱりどこにも救いがない。
理由なく若い女性2人を射殺した若者と、それを目撃していた少年と少女、そして事件を追い続ける中年刑事たちが織り成すどす黒くて邪悪な物語だ。
主人公の若者はドラッグとセックスと酒に溺れ、人を傷つけたり殺したりすることになんの抵抗もない人間のクズだ。目をつけた女性をモノにするた...
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【邪悪な精神。】
ジャック・ケッチャムのひさびさの新作です。
それも今までに翻訳されている全6作の中でページ数583Pと一番長い作品となっております。
その中で残念なことにP229 1行目のレイ(間違い)→ティム、P281 10・11行目のティム(間違い)→レイ、P396 12行目のレイ(間違い)→ティム、P475 10行目のレイ(間違い)→チャーリー、と著者のミスか、訳者のミスかは分かりませんが、話の流れで分かる登場人物の書き間違いが分かるだけで計4箇所ありました(参考にしてみて下さい)。
本作は、プロローグ、第一部、第二部、その後(エピローグ)で構...

【最後まで読ませるパワー】
ケッチャムらしく、後味が悪く、救いのない作品だ。
なのに、最後まで一気に読ませるパワーを持っているところがすごい。
人間の嫌な部分や残酷な部分、卑怯な面を「これでもか」というまでに見せつけられる。
自分の中にも確実に存在する負の要素の片鱗をデフォルメした登場人物たち。
目を背けたいはずなのに、何故か魅了されてしまう。
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